CATEGORY: 日常
DATE: 03/13/2018 16:09:30
「クローバー、いっぱい咲いてるね」
ラッキーは珍しく1人で散歩。
退屈しのぎに四つ葉のクローバーを探しに来た。
「見つけたこと無いよね」
「本当に……あるのかな」
しゃがみ込み、あたりを見回す。
がさがさと手でかき分けながらクローバーに目を凝らす。
葉に乗った水滴で手が濡れる。
「うーん……」
簡単に見つかるものではなかった。
諦めず、探し続ける。
アリスの手に驚いたのか、突然雨蛙がぴょこんと飛び出してきた。
「わっ!!」
それに驚き、尻もちをついてしまった。
雨蛙はこちらに向かってきそうだ。
「あ、あっち行って!!」
アリスがバタバタしていると雨蛙はすぐそこの池に飛び込んで泳ぎ去った。
しばらく動悸がしていたが、やがて落ち着いてきた。
「カエルかぁ……突然出てくるから、驚いちゃった」
「……ふー」
「服が汚れちゃった……まあいいか……」
クローバー探しを続行する。
アリスの目に何かが留まる。
「……?」
そこには、紛れもない四つ葉のクローバーがあった。
青々としてとても綺麗な状態だ。
嬉々としてそれににじり寄る。
「葉っぱが4つだ」
「……わぁ」
丁寧に摘み取り、家に持ち帰った。
押し花にするため、本棚から辞典を取り出して開く。
すとん、と床にしおりが落ちたが夢中のアリスはそれに気が付かない。
「形を整えて……よし」
「上手にできますように……」
願いを込めて本を閉じる。
念の為上から重しを乗せておいた。
すると、ラッキーがタイミングよく帰ってきた。
アリスの嬉しそうな表情を見て不思議そうな様子を見せている。
「何かいいことでもあったの」
「そうだよ」
「ふーん、教えてくれるかしら」
「まだ秘密だよ」
「秘密?一体何があったのやら」
押し花が完成するまでは、秘密にしておきたいらしい。
しかし、押し花に使う辞典と重しの本が置きっぱなしだった。
「アリス、これどうしたの」
「あ、それは……えっと……ほ、本棚のお掃除をしてたんだよ」
目が泳いでいる。
「……ふーん」
「邪魔だからしまっときなさいよ」
本棚にしまうと押し花ができない。
悪いことをしている訳じゃないのに、そんな雰囲気になっている。
「……やだ」
「やだじゃなくて……使うならいいけど」
「そうだよ、使うもん」
「べ、べんきょうするの」
「そう……ならいいけど」
なんとか納得したようだ。
「……この本」
ラッキーの言葉にアリスはドキッとした。
動物は嗅覚が鋭い。
クローバーが挟んであるのに気がついたのかもしれない。
「……」
「ホコリ臭いわね」
「お掃除をしてたから……」
ほっとした。
ラッキーが向こうに行っている間に、クローバーが挟んであるページを開く。
「楽しみだなぁ」
「早く明日にならないかなぁ」
この様子をラッキーが隠れてこっそり見ていた。
「なんかぶつぶつ言ってるわね」
「ヘンなことしてなきゃいいけど」
本を閉じるのを確認してから、アリスのもとに戻って行った。
次はこちら。

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